思うこと
工務店の設計とは 2010年8月21日

昨年に続き、先日SAREXのワークショップで東大の建築学科に行ってきました。今年のテーマも「箱男」こと難波和彦さんと工務店のプレゼン対決というようなものですが、難波さんは既に退職され、先日に東大名誉教授になられたそうです。
最初に難波さんから完成直近の「環境共生住宅」のプレゼン、その後SAREXの工務店4社からのプレゼンと言う形で講評や質疑を介して、今後の住宅建築に対する思考をどこまで延ばせるかを議論すると言う内容でした。
建築家からと工務店からの設計アプローチの違いは整理できてもそれを実務につなげるコトはそれほど簡単なものではない。でも自分の理想系を常に「意識する」コトの重要性を改めて思い知らされた感じがしました。こだわりを持ったクライアントに対して、工務店で設計・施工する理由を履き違えないように、常に主張すること、語弊を覚悟して言えば「抵抗すること」がやはり勝負どころになるのだと。
工務店パネラーのお一人の発表に
「出来なくは無いのであればベストな選択と思えなくてもご希望を飲まざるを得ない」
何故なら・・工務店は「抵抗しすぎれば仕事は来なくなる」から。
ベストな提案を少しづつ「イジくられ」(業界用語かな!?(笑))、原案の良さが薄まるというパターンに陥りやすいところに設計工務店の最大のジレンマがあることは間違いない。
講評の中にもあったのだが、実施するまでに検討した計画案の中で一番出来が良いのは大抵、第一案だったと思えることは私も良く経験することです(笑)。要望を頂いたものを咀嚼した上でベストな提案がまず最初に来るわけなのですが、良くも悪くもクライアントは「我侭」(苦笑)です・・大事な骨子を実現させても意外な勘所があったり、また大事な骨子を崩してでもやはり優先順位の低い項目を数多く盛り込みたい!と軸がブレ始める等・・。設計者であれば誰でも苦しむ所です、工務店ならば尚のこと。
「注文住宅」とはクライアントの夢やこだわりを形にするもの・・・そう叫んでいるのは他の誰でもない自分(苦笑)。当然ながらその通りなのですが、施主のイエスマンになることが良い注文住宅につながる訳ではないというあたり前の事実を工務店の設計者はもっと声を大にして主張する必要性があるだろう。
だからといってその第一案が建築業界的評価や自己満足からみた「最優秀賞」であっても、クライアントにとって本当に最良の選択なものかどうか・・、やはり考えてしまう。何故なら、素人であるクライアントはそこから考えを整理してご自分達の最良の選択を見出すこともあり、そこから面白くなることも少なくはない。
こう考えながら書いていると、「プロとしての意見を通す」ことと「十人十色のこだわりの家造り」を両立させようともがいているのが良く分かりますね~。やはり設計者として自分自身、依然としてふらついているんだなと再認識しました(笑)。それに比べ、一切ブレない提案をする有名建築家と呼ばれる人々は本当に確固たる信念の基に生きているんだ・・と改めて思う。
まあこの答えが出せていたならどれかの分野で有名になれていたかも知れないね(苦笑)
ワークショップで再認識できたが、世間で一般的な無料プレゼンや「まずは・・たたき台としてのプラン」的なものを1週間程で提案してしまうようなことは今までどおり、絶対やらない・やってはいけないと。
それどころか「もっと主張しよう、抵抗しよう、自分の為にも、そして当然クライアントの為にも・・」とささやかな信念を・・。最高学府内で勉強した影響なのか・・(笑)真面目に自己分析をした夏の午後でした。
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