恩師の逝去 2010年1月10日
大学の研究室でお世話になった教授がお亡くなりになり、箱根の宮城野にある終の住処であった箱根山荘での通夜から今戻ってきました。
30余年に渡る研究室の卒業生が連休にもかかわらず大勢、静かな別荘地に集いました。
意匠系研究室の中でも住宅を専攻とした研究室で学んだ事が今の仕事について多大な影響を受けていることを感じているところに突然の訃報でした。
築後30年を超えるようには見えない山荘は当初はクライアントの依頼を受けて設計したものを晩年に縁あって買い取り、音楽や絵画を楽しまれていたそうです。

決して大げさではない個性的な作風の山荘は建築のプロばかりが集まった輩の建築論議には最高のテーマでした。
晩年に卒業生と共同で作った数寄屋風の小さな茶室も見ることができ、しばし小さな空間に座り、色々思い返してみました。
明日は成人の日で、めでたい日でもありますが、私も既に卒業してもう20年を超えて来ました。
この歳になっても何一つ満足に出来ていないという気持のまま毎日を過ごして来ましたが、卒業後の20年余りを思い返していると、自分も少しは進歩してきているんだ思うことができました。
在学中の回想も多々ありますが、卒業後の印象強いあるやり取りを忘れることはできません。研究室の集まりがあった際、私が家業を継ぐつもりで今の仕事に就いたと、報告した際に
「大きな会社にしようとするなよ」
とボソッと言われたことを、事あるごとに思い出します。おまえは器量がないから無理するなということだったのか、諸先輩方の苦労を見続けたからこその助言だったのか・・・今となっては知ることもできず。
おかげで人一倍地道に進んでこれた気がします。この数年、スタッフも増えてきましたが、その言葉を忘れずに、「大きな会社」でなくても、「良い家を良い体質で造れる会社」にしたいと思います。
なので今はしっかりと地に足をつけて、良い家を造るための体制づくりを確立させるべく社員一同で頑張っています。
そして頂いた会葬御礼には奥さまの心からの言葉のカードの裏に先生の懐かしいしぐさが写っていました。さらに卒業生達全員の返礼品の袋には何故かレポートが・・。
開いてみると、これからの住宅設計についての提議が書かれていました。80歳を超えても日本の住宅事情に憂いをもっておられたようで、その情熱には感服します。
これは多分、私たちへの最後の課題なのでしょう。
「あとはキミたちが考えなさい」 ということか・・。
一生かけて答えを見つけなければいけないようです。
またお会いできる時には持論をお話できるよう情熱をもって進んでいきます。

5年前に開かれた第一期生からの総合同窓会の際の集合写真。皆に囲まれて嬉しそうですね。
白濱先生 本当にありがとうございました。心からご冥福をお祈りいたします。

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